カノープスの「ネットワーク対応テレビチューナーユニット」DNT-888Lが処分価格で放出されてます。発表されたときにかなり気になった製品だったんですが、そのときは高すぎて(4万円くらいした)とても手が出せませんでした。
しかし「デジタル放送非対応」&「クライアントソフトがVista非対応」という仕様のためもはや将来性がないからか、ここに来て新品が1万3千円程度で叩き売られています(Amazonだとクライアントソフトとセットで1.7万くらい)。手が届かなくもなくなってきたので、改めて機能を調べてみたところ、これがまた面白い機械なのです。
DNT-888Lは、「映像&音声入力をエンコードしてネットワークに乗せる」機械です。類似のコンセプトとしては、ソニーのロケーションフリー(Amazon)なんかが有名。「親機」をアンテナ線やらBS/CSチューナーやらHDDレコーダにつないでおけば、「子機」(PCとかPSPとかPDA)は無線LAN経由で、地上波もスカパー!も録画した番組も、いつでもどこでも(寝室でも風呂でもトイレでも外出先でも)見れちゃう...という「タイムシフト&ロケーションシフト」なソリューションです。
DNT-888Lには、ロケフリのようにメーカーの手厚いサポートがなく、視聴するためのクライアントソフトはWindows XPでしか動きません。上で書いたように、メーカーはなんとVista対応を諦めました。(だから安く買えるんだけど)
ただこの機械、「メーカーサポート対象外」の使い方が面白すぎます。じっくり検証してみたい...のですが、その前にまず、基本機能のおさらい。
【映像入力】
●アンテナ端子(アナログTVチューナ搭載)
※デジタルチューナは非搭載
※CATVはC13~C35まで(微妙...)
●ビデオ入力×2
※ビデオ1はコンポジット/S/コンポーネント対応
※ビデオ2はコンポジット/Sのみ
【画質補正機能】
●3D Y/C分離 または 3D ノイズリダクション(排他)
●ゴーストリデューサー
【エンコーダ】
●MPEG2 ハードウェアエンコード(MP@ML)
●解像度:720x480, 480x480, 352x480, 352x240
●ビットレート:2~8Mbps (VBR/CBR)
●オーディオ圧縮:MPEG1 Audio Layer2
●多重化:MPEG2 プログラムストリーム
(詳しくはメーカー公式サイトで)
...というわけでSDのみではありますが、なにげにコンポーネント入力(Y/Cb/Cr)に対応してたりします。D2(480p)にも対応してるのかはよくわかりません。
エンコードはMPEG2なので、圧縮効率のよいH.264(MPEG4 AVC)が使える新ロケフリと比べると使用帯域が心配です。でも720x480の8MbpsということはDVDビデオ並なので、帯域を気にしなければ、画質はそれなりに安心できるのかも。
コピーコントロールに関しては、仕様に「コピープロテクトされているビデオ信号を録画することはできません」とあります。
ちなみにロケフリは「再生専用機」で、子機(クライアント)では録画できない仕組みになっています。エンコードされた映像は暗号化されて伝送されるという徹底ぶり。そのおかげで、DVDプレイヤーやCS放送といったコピーガードのかかった映像をロケフリのビデオ入力につないでも、コピーコントロール信号を検出して止まったりしません。
DNT-888Lは、PC上のクライアントソフトで録画可能なので、DVDプレイヤーをビデオ入力につないでも、たぶんコピーガードが作動しちゃって再生はできないでしょうね...。
こうやって仕様を見ると、ロケフリとは方向性が違うことがわかります。クライアントで録画ができるというのが、良くも悪くも最大の違いです。そして、この録画機能こそが、DNT-888Lのキモなのです。詳しくは、...長くなっちゃったので次回。