体験版の無料配信が始まった『勇者のくせになまいきだ。』(PSP)のマジメそうなところに注目してみる

勇者のくせになまいきだ。

年末というのは、クリスマスプレゼント需要を狙って多くのゲームソフトが発売される時期なんですが、その中で私が個人的に大期待の一本が、12/6にPSPで発売される『勇者のくせになまいきだ。』です。その無料体験版の配信が始まりました!
メーカー(SCE)の公式サイト
アマゾン(10%オフで¥3,582!)

体験版は、PSPで無線LANを使える人なら直接ダウンロードできます。
「Windows(XPかVista)のPCならある」という人はPLAYSTATION Storeへどうぞ。PC経由でダウンロード可能です。

どっちもない...という人は、ゲームショップに設置されてるPlayStation Spotでも無料ダウンロード可能。
ちなみに設置店舗数、半年前にこのブログで採り上げたときには全国で84店しかなかったんですが、いま見たら400店に激増してました。以前よりは現実的な選択肢になったんじゃないでしょうか。

さてそんなわけで『勇者のくせになまいきだ。』です。
F先生もビックリの、ジャイアンを彷彿させるタイトル名。ハイデフだHDMIだというこのご時世に、なぜかドット絵。...いかにも「バカゲーでござい」と言わんばかりの造りですが、公式サイトの「社内インタビュー」を読むと、ふざけながらも案外マジメそうな、緻密に構築されたゲームなのでは? という予感もします。

――ゲーム制作論的なことで言うとビオトープがあってこれをRPG的再解釈しますとしてますが、そこに行くまでに何かあったんじゃないですか?

僕のゲームをやってくれてる人ならなんとなくわかってもらえるかもしれないですけど、僕、ザコが好きなんです。RPGやってて、あっさり経験値のために殺されるザコたちの、勇者にエンカウントする前にあっただろう彼らの生活にスポットを当ててみたかった。彼らだって、どっかで生まれて、飯くって、糞して、恋をしてとか。そういう背景。

――交尾とかして?(笑)

そうそう。で、その過程でたまたま勇者と出会ってしまったために、戦うコマンドで殺される。そういった世界を表現したいというのが、ひとつネタとしてあって、その部分と、さっきのライフゲームとかのネタがかみ合った。あとは、賢そうな言葉をモテるために入れて企画書ができた。それにモテそうなドット絵というチョイスと、賢そうな言葉を入れつつ企画書ができた。そのうえに PSP®で出すということで、勇者を倒すというゲーム全とした目的をあたえつつ、短い時間でテンポよく遊べるようにした。その辺で、だいたいまとまりましたね。単純に、ゲームを作ることについての構えも含めて、肩肘張らずにおもろいと思ったことをやってけるんだってことを実証したいですね。
開発費たくさん使って、たくさん売って回収するというやりかたじゃなくても、たとえ小さくても、ニーズがあるところに向けて作って、逆に回収できる範囲の予算で作るということもやっていかないと、停滞感みたいなのは打破できないんじゃないと思っていました。

――どの辺に停滞感を感じていました?

さかのぼると僕が勇者の前に作った「忍道戒」は、まあこちらが思っているほどには売れなかったんですよね。でも、熱烈に支持してくれる人はたくさんいたんですよ。この人たちが欲しがっているものを、回収できる範囲で作れないか? というのを個人的に思っていたんですが、なかなか難しい。業界的に一番落ちてた時期でしたしね。その後、DSがブレイクして「おっ」と思ったんですが、続くのは2匹目のドジョウ狙いばっかり。一方で、視野広げるとネットやら携帯には面白いコンテンツがいっぱい出てきていて、そっちのがはるかに「なにか新しいものが出てきそう」という期待感が高いって、そういう状況にまずいんじゃないかな?と思って。
――やはり、攻略情報必須なのでしょうか?

人によるんじゃないでしょうか。ゲームの目的は勇者を倒すというただ1つなんですが、その方法はじつにいろんなやり方があるんですよ。それこそ、テストプレイでやってもらって、僕らも知らなかったやり方が見つかったりと。

で、魔王が言うわけですよ。「私が教えられることはもうありません。あとはまとめwikiでも見てください」って(笑)。そんなゲーム初めてだよ。

――開発する立場からすると、ネタバレ情報がネットに流れたりするのは嫌じゃないんですか?

解答がひとつのパズルやアドベンチャーみたいなものだと、それはそうでしょう。基本は自分の力で楽しんで欲しいわけですから。解答を見ながらパズル解いても面白くもなんともない。それでつまらなかったと言われてもね。ただ、いまの世の中でそれを防ぐのは無理ですし、それは大前提としてシステムを考えるしかない。さっきの話ですけど、そういうユーザー同士の横の繋がり含めてゲーム体験になっていくんだと思います。一方で、情報をシャットダウンして楽しむことを選択するユーザーもいるわけですし、とにかく消費の仕方を縛るほうが前時代的じゃないですかね。

体験版をちょっと遊んでみた感じでは、思ってたよりアクション要素が強い。もっとシミュレーションっぽいものを想像してました。まあジャンルは「ダンジョン・マネージメント」だそうで、どこにもシミュレーションなんて書いてなかったんですが。
ビオトープから着想を得た、とインタヴューにあるとおり、「箱庭的環境の中で生態系を構築&維持する」というなかなか真面目なゲームです。うまく魔物の生態系ができた! と思ったところに外部から現われる天敵! それが勇者! これは確かに生意気だ...。

タイトル名がふざけてるんで敢えて真面目な点を中心に書いてみましたが、世界観は徹底的にふざけてるというか、いろんなゲームやマンガやアニメのパロディ満載なので、そちらも楽しみなところです。以下の記事なんかでその片鱗を垣間見れるかと。
電撃オンライン
GameSpot Japan(スクリーンショットが100枚以上あります)

それと、インタヴューによると、

ドッツ打ってくれたりカスタムテーマ作ってくれたりホントにwiki立ち上げてくれたり。眼の肥えたユーザーさんと一緒に遊んでる感じがまたたまらないです。それこそ、RPGの町の酒場で、気の合った仲間と話をして飲んでる感じ。

だそうなので、PSPカスタムテーマあぷろだに投稿されているテーマをご案内しておきます!
http://psp.themesup.net/data.cgi/1122
http://psp.themesup.net/data.cgi/1096
http://psp.themesup.net/data.cgi/0983

発売日は12月6日! いろいろ買いたいソフトが多い時期なのが財布的にはちょっとキツイですが、『勇者~』はもともと3,980円とお安めなうえ、アマゾンなら10%オフなのでお買い得です!

このブログ記事について

このページは、水の森が2007年11月15日 14:46に書いたブログ記事です。

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